中国茶

歴史

茶はお茶の木の茶葉を用いた飲料でコーヒーなどと共に世界中でよく飲まれています。中国が原産とされています。
中国茶の歴史は長く、最も古い茶樹は揚子江水源から始まり、東に広がったと伝えられています。

西湖龍井茶

前漢時代に成立したといわれる最古の辞書『爾雅』(十三経のひとつ)にはお茶を表す言葉が記されています。王褒著『僮約』(前漢の神爵3年(紀元前59年))は、茶の販売について書かれた最古の文書として知られています(「膾魚炮鱉、烹茶尽具(魚を細かく切ってすっぽんをあぶる、茶を煮て備えを尽くす)」、「牽犬販鵝、武陽買茶(犬を牽いて、がちょうを仕入れ、武陽(今の四川彰山)に茶を買いに行く)」)。唐代の陸羽著『茶経』(中国茶道最古の書)によると、神農氏(約5000年前の農耕、医薬などを伝授したといわれる帝王)によりお茶の飲用が始められたことが記されています。

お茶は、古代には薬用でしたが、後に食用(茶ご飯、茶のつけもの)さらに飲用と変わってきました。唐代にはお茶を飲むことが普及していましたが、唐代の茶道は煮茶法が主流でした。宋代には点茶(砕いた茶粉を碗に入れて熱湯を入れながらかき回す)へと変わっていきました。

明清代に点茶から泡茶(湯の中に茶の葉を浸し茶の葉をじわじわと開かせること)に変わっていきました。泡茶は主に茶壺(急須)、杯、蓋椀などを使います。
明代に生産される茶も多様になり、明清時代に烏龍茶、紅茶と花茶が登場し、龍井茶、黄山毛峰、碧螺茶などの銘茶も誕生しました。

祁門紅茶

基本分類

中国茶は製造方法の違いによって、緑茶、紅茶、青茶、黄茶、白茶、黒茶の6つに分類されます。その他にこれらのお茶を原料とした再加工茶があります。

緑茶

緑茶は不発酵で中国茶の中で生産地も広範で、生産量も多いです。

緑茶

紅茶

紅茶は全発酵茶です。

紅茶

青茶

青茶(烏龍茶)は半発酵茶です。福建、広東、台湾を中心に生産されています。

青茶

黄茶

黄茶は微発酵で悶黄(もんおう)という湿った茶葉を放置し軽い発酵をさせる工程が加わります。

黄茶

白茶

白茶は弱発酵で主に福建福鼎周辺で生産されます。

白茶

黒茶

黒茶は後発酵で主に湖南、湖北、四川、雲南、広西、広東などで生産されます。

黒茶

再加工茶

6つに分類されたお茶を原料としてジャスミン茶などの花茶、緊圧茶(型にいれて圧力をかけて作るお茶)など再加工茶といわれています。

再加工茶

産地

中国茶の産地は北緯18~37度、東経94~122度の範囲に分布します。
西南、江南、江北、華南地区に分類されます。茶樹の種類は茶区により異なります。

江南地区は南宋、唐の時代に茶文化が栄え、現在も茶の産地の中心といえます。湖北南部、安徽南部、江蘇南部、浙江、江西、福建中北部、広東北部、広西北部にあたります。

1000m以上の山は浙江の天目山、福建の武夷山、江西の廬山、安徽の黄山などがあります。この地区の茶樹は緑茶、烏龍茶、花茶に適しています。

江北地区は甘粛南部、陝西、湖北北部、安徽北部、江蘇北部にあたります。この地区の茶樹は灌木型中葉種、小葉種が大半を占め、緑茶に適しています。六安瓜片、信陽毛尖が有名です。

華南地区は福建(閩中、閩南地域)、広東中部・南部、雲南南部、海南島などが含まれます。この地区では灌木、小喬木、喬木などたくさんの種類が生息します。
この地区の茶樹は紅茶、烏龍茶、花茶、白茶などの生産に適しています。